青春の小箱におさまりきらない

主に記録 Twitter:@Guilty_boys4

イアーゴーって極悪非道の悪党じゃないよね?

9月2日に新橋演舞場にて幕を開けた『オセロー』。

私はジャニーズWEST神山智洋くんが出演しなかったら触れなかったであろうシェイクスピア作品。

演劇かじってたくせにシェイクスピアに触れてこようとしなかったのは、なんか難しそうだから、自分の世界とはかけはなれてるから。

 

まあそんなこんなで行ったきた新橋演舞場。初日の1回しかまだ見てないから、「後で自分の解釈全然違うわ!」ってなる可能性がありながらも、初回の1回で感じたことを書きたい。主に作品の内容について。書いてないと次みたときの感覚に左右されそうだから。

 

主に、下記3点。

 

1.イアーゴーがオセローを陥れる理由

2.本作品でのラスト、勝者はいるのか

3.イアーゴーとエミーリアの関係

 

※以下、ネタバレ含むよ。

※あくまで初回の1回を見た感想。あくまで私が思ったことで思想の押し付けちゃうよ。

 

 

1.イアーゴーがオセローを陥れる理由

作品中で、イアーゴーがオセローを陥れるに適した(かはわからんけどまああり得るよなっていう)理由が語られる。奥さん(エミーリア)と寝ただの副官に指名されなかっただの。嗚呼少なくとも前者は理由に適してるし後者も全力で尽くしてきたからこそHA?ってなってもおかしくない。ふむふむ。

って、本で読んでるときは思ってた。が、どうもひっかかる。

だって、イアーゴーそんなに憎しみ増幅させてる??所謂復讐劇って、途中で復讐してる人も可哀想に写るような演出だったり憎しみに震えるシーンとかあるやん。イアーゴーはどちらかというと楽しんでたくないか?狂ってると言ってしまえば一言で片付けられそうだけど、イアーゴーは賢く理路整然とした思考回路を持っていて、狂ってはないんだよ(かといって常人ではないけど)。

じゃあ、このオセローを陥れる真の理由は語られてないのでは。

そこで私のなかで一番しっくりきたのが、「嫉妬」だと。本作品では「嫉妬」がテーマで描かれているけど、まずイアーゴーの嫉妬から始まったんだと思った。わかりやすく言えば、イアーゴーが仮に女性だったとする。そしたら同じように話が進んだとしても、上記二点以外の理由があがらなくても、嗚呼女の嫉妬か、って思われると思うの。

かといってイアーゴーが同姓愛者だとは思ってない。でも、ホモソーシャリティの中に組み込まれた強すぎる思いはあるのかなって思ってる。イアーゴーはオセローの性格をよく知っている。それは近くで尽くしてきたからだし、だから副官に選ばれなかったことに愕然とした。裏切られた、そんな気分だったかもしれない。自分の尊敬する気高いムーア人は、自分の功績をわかっていたはずなのにそれを認めてくれなかった。だからキャシオーにも腹が立つ。邪魔に思える。そんなに尊敬してる相手なら思いとどまるかもしれないけど、副官にキャシオーが指名された時点で尊敬する気高きムーア人は、イアーゴーの中で死んだ。

いやいやそしたらエミーリアと不貞を働いたかもしれない疑惑はどう片付ける?って話なんだけど、あれは後付けの理由でしかないと思ってる。真っ先に怒った理由はキャシオーが副官に命じられたことで、エミーリアとのことはちらっと語られるだけ。憎むに値する理由を並べてるだけだと感じた。

あくまで私の中の解釈だけど、そしたらデズデモーナに対して黒い感情がないことはうまくいくなって。上記でのべたもし女性だったら~っていう点で、仮に同姓愛者ならキャシオーに対してだけでなくデズデモーナもその対象になっておかしくないから。

でもやっぱり最後にオセローが自殺した瞬間は、なかなか明かされないイアーゴーの仮面がとれたかなって思ってる。ここで、神山くんがいってたイアーゴーの人間味が出ているところでもあるかもしれない。まあ私の解釈だとわりとイアーゴーの人間味は出てるんやけどね。別に性善説唱えるわけちゃうけど、何も人を陥れてることだけが生き甲斐とか楽しみとかそんな人じゃないはずだから。

まあ実際はどうかしらないけど、どうも憎しみだけで突き進んでるようには見えなくて、その原動力の燃料になってるものは嫉妬じゃないのって感じた。私途中でイアーゴーが嫉妬を緑の目をした怪物とか語るあたりで、飲み込まれたのはイアーゴーちゃうの?って上のような解釈まとめる前に感じてて。色々自分の中では合点がいった。

 

2.本作品でのラスト、勝者はいるのか

私は文庫本で予習していったから、最後の台詞から幕が降りるまでの急展開、まぁ~~焦った!焦ったよね。

まず、私はイアーゴーは生き残ったと考えている。オセローに斬られた傷口から血はでてるものの致命的なものではなさそう。そんなすぐに死なせてたまるかって満場一致な感じだったし、軽傷にすぎない。それに連絡が途絶えたキプロスを不審に思う本土の人がそのうち来るだろうし、イアーゴーは助かりそう。(そのあと彼が何があったか問いただされるのは明白だけど、なんせ信頼を得ているイアーゴーは何でもことをでっちあげることができるよね。死人に口なしだし、生きてるビアンカはそこまで事情知らなさそうだし知ってても立場的に聞く耳もってくれなさそう。)

しっかし所謂悪役だけが生き残るって見てる人胸くそ悪いだろうな~~!私はどうしてもイアーゴーに同情してたので嫌いになれきれなかった。。クズやけど。。

で、、最後にばばばって出てきた人たちはトルコ軍なのか?はたまた違う誰かなのか?イアーゴーの周りが滅多斬りにされる中、おそらく刃すら向けられていないイアーゴー。既に傷をおってるからもう死んでると思われてるのか、はたまた?

ここは最後ベッドによりかかったイアーゴーの表情からわかりそう(しかし初回はわたし遠くてちゃんと見れてないから今後確認する………)。

トルコ軍が全滅したってのが誤報だったとすれば単純にヴェニスの方々まぬけやろってなるし、イアーゴーだけ殺されへんのかよ~~!ってなる。私はこれはもう願望なんだけどもしイアーゴーの差し金だったら?文庫本とかのなかで特に解決されてないから気にすることじゃないかもしれないけど、ロダリーゴーが土地売ってまで作ってイアーゴーに渡したお金はどこにいったんだろう。もし差し金だったらイアーゴーはやっぱり頭のなか整理されてるし用意周到だよね。ほんま真面目な人間。

章のタイトルにした、勝者はいるのか?っていった点で言えば生き残った(とここではする)イアーゴーが勝者のように見える。でもイアーゴーは完全勝利ではないと私は思ってる。計画通りにいかずにオセローが亡くなってしまった時点で彼の計画はプランAから外れた。邪魔な者は排除して自分が副官の立場にたち、デズデモーナの不貞を明かしたことでよりきつく結ばれた絆でオセローの一番信頼できる人として力を尽くすはずだった。それが叶わなかった時点で勝者とは言いづらいなぁと。判定勝ちみたいなもんかな。

 

3.イアーゴーとエミーリアの関係

エミーリアのことを使って終いには殺してしまったけど、二人の間に愛はなかったのか?って言われたらそれは違うと思う。

むしろ私はエミーリアに対してはあまり仮面をかぶってなかったように思う。デズデモーナにエミーリアの話をするときも貶して話すし、それは別にデズデモーナあげをしているという感じもあるだろうけど、エミーリアの反応から二人でいるときもいつもそんな感じなんだろうなって。悪態ついてそれで何よもうってエミーリアが反応して、でもエミーリアがイアーゴーに愛想をつかないのは、それがイアーゴーの愛情表現でもあるからでは?私はすごくいい夫婦に見えたよ。何もイアーゴーだってエミーリアを殺したいとおもって殺したかったわけじゃない。もちろんあのときエミーリアが黙っていれば事実を知っていようがたぶん殺さなかった。あの瞬間、切り抜けなければならなかった、そしてエミーリアの夫であることよりもオセローの臣下であることが勝っただけなんだろうなって。だから普通にこの夫婦好きだからめっちゃしんどい~~!!!!!!(超個人的)初回から刺され方演出が変わってるみたいだから次見るの楽しみ。。

 

と、書きたかった三点書けたから満足~~!人それぞれ解釈は違うだろうから他の人の意見聞くのも楽しみ。それに次みたときには私の解釈は変わってるかもしれないしな。

 

またそのうち細かい演出の話や神山くんのことは別で書くと思うけど、とりあえずオセロー楽しいよ!!!!!!まだチケットとれるよ!!!!!!!!(圧)

残りまだまだあるし、1回1回がきっつい舞台だけど、出演者スタッフ全員が怪我なく楽しく千穐楽をむかえられますように!!